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成績の悪い社員を辞めさせることはできるのか?

私が15年間営業職のサラリーマンをしていた頃、毎日実績をチェックして、毎月社員の営業成績が1位から最下位まで順番に並んで発表され、営業成績によって、昇給額も賞与も変わるという生活を送っていました。

営業成績は対前年比、売上目標の到達割合、担当地域の自社製品の占めるシェア等で評価されていましたが、成績が1位もあれば、もちろん最下位もあるわけなので、

皆、今月は「OOさんの営業成績が良いな」とか「目標に達成しそうにないからどうしよう」等、毎日数字を追っていました。

そんな中、営業成績が振るわない同僚は決まって皆

「会社をクビになるかもしれない」と話していました。

では、実際、営業成績が振るわなかったり、お仕事がなかなか思うようにできない場合、 社員を退職させることはできるんでしょうか。

 

まず、解雇するためには、就業規則等の解雇理由に該当していることが必要です。

多くの会社では解雇理由として「勤務成績または業務能率が不良で、従業員としてふさわしくないと認められた時」と規定されるケースが多いのではないかと思います。

だからといって、社員の勤務成績や業務能率が不良に該当するから解雇できるというものでは無いのです。 労働契約法16条にあるように、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められないときは、解雇権濫用としてその解雇は無効になります。

誰だって、時には仕事でミスをしたり、営業成績が低下することなんてあります。

むしろ、全く間違いのないミスも無い人間や、常に成績上位をキープしているほうが不自然かもしれません。色々な経験を通して、人は常にいつも成長していくものなのです。

長い人生の過程の中、不調気味なその時だけを判断して、解雇されていては本人も納得行かないのではないでしょうか。

また、社員は成長の中変わっていくものです。その時その場所で育成されて、ようやく一人前になるのだと思います。

会社は、社員の雇用を維持する責任があります。従って、成績の悪い社員を解雇する前に、会社は、社員に対して改善を促し、また指導をしなければなりません。

場合によっては職務変更や他部署への異動を行うなども必要になるかと思います。

もしも成績が伸び悩んでいるため解雇するとなって、トラブルになった場合、 会社は、以上のことを繰り返し行ったか否かが問われます。

会社が、雇用を維持するために様々な努力をしたにもかかわらず、社員に改善が全く見られない時、雇用を維持できない状況として初めて客観的に合理的な理由があり社会通念上相当であるとされます。

 

縁があって入社した大切な社員です。

多くの会社が、社員を育成するという観点にたって、人財を大切にできる会社であってほしいと思います。

 

松尾

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