【内定通知書】と【採用通知書】の違いについて
採用面接後、内定通知書や採用通知書をお渡しされる会社様が多いかと思います。
しかし、実は、この2つは似て非なるものですので、簡単に解説致します。
【内定通知書】
内定通知書は、労働者からの労働契約の申込みに対する会社の承諾意思を、証拠として示す書類です。発行の義務はありませんが、発行すれば法的な効力を持つ書類となります。
内定通知書の内容も会社によって異なりますが、一般的には採用内定の通知のほか、応募へのお礼、入社日、返送が必要な同封書類の返送期限、採用担当者の連絡先、そして内定取消事由等を記載します。
【採用通知書】
採用通知書は、応募者を「採用」する意思決定を、応募者に対して“一方的に”知らせる書類です。
法的な定義がないことから、会社によっては内定通知書と同義の扱い・運用としているケースもありますが、そういったケースを除けば、基本的に、採用通知書には応募者の入社意思を問う意図がありません。あくまでも会社からの一方的な通知に留まるため、送付によって応募者が法的に拘束されることはありません。
ただし、法律に規定があるわけではないですが、「採用通知書」も法的効力がないとは言い切れません。応募者の応募行為が労働契約の申込に該当し、企業が「採用通知書」を交付することは契約の承諾に当たると考えられています。労働契約が成立しているのであれば、法的効力も発生します。そのため、正当な理由がない限り企業による取り消しは難しいとされています。そのため、辞退を止めることは難しいと考えられます。
松尾倫加