健康診断の日は労働時間とするか有給休暇とするか
私がかつてサラリーマンをしていたとき、
同僚の仲間内で
「健康診断の日って勤務時間内に行った?」「俺は有給取って行ったで」というような会話が毎年繰り返されておりました。
さらに上司から「どう扱っていいかわからん」というボヤキまで聞いたこともありました。
ってなことで、今日は、健康診断の時間は法律的にどの様に扱われるのか解説したいと思います。
実は、健康診断には大きく分けて2種類あります。
①一般健康診断
②特殊健康診断
①がいわゆる皆さまが想像する多くのサラリーマンの方々が受診する健康診断で、
②は有害業務従事者が受けなければならない健康診断です。
では有害業務従事者とはどのような業務かと言いますと、
潜水業務・高圧室内業務や石綿を発散する場所における業務、放射線業務などで、
業務の種類は労働安全衛生法に定められており、6ヶ月に1回の受診が必要で、
四アルキル鉛等業務のうち一定のものの業務の場合は3ヶ月に1回の受診が定められています。
この②の特殊健康診断は、業務時間内に行うことが通達で定められており、もしも時間外に行われる場合は、時間外割増賃金(残業手当)も必要です。
では①の一般健康診断はといいますと、
業務時間内に受診すべき法律上の定めはありません。また、有給休暇扱いするかどうかも同様に定めはありません。
つまり、使用者/事業主が業務時間外に行うように指示しても問題無く、賃金支払い義務も無いのです。
とはいっても労働安全衛生法66条では
「事業者は常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回、定期に医師による健康診断を行わなければならない」とありますので、事業者には安全配慮義務上も労働者の健康に留意し配慮する義務もあることから、労働時間内に健康診断を受診してもらっている企業様も多いのではないかと思います。
この取り扱いをどうするかは、
今後トラブル回避も兼ねて、しっかり就業規則に定めておくことがお勧めです。
弊社でも丁寧にヒアリングしたうえで就業規則を作成しておりますので、
是非ご相談ください。
ちなみに、定期健康診断や特定健康診査(いわゆるメタボ健診)の検診項目は法律で定められています。 医療保険者(協会けんぽ、健保組合等)や病院の各検診項目は法定を上回る項目が含まれ ていることがあります。詳細についてはお問い合わせください。
ちなみに私は健康診断の受診は苦手です。前日夜からの食事制限、血液検査、体重計、胃カメラ、どれをとっても嫌いなものばかりです。
でも今年も来月頑張って受診します!皆様、健康診断は自分のためにも頑張って受診しましょう!
松尾