働きながら年金を受け取る場合、知っておきたい情報
先日、サウナに入っていたら、高齢者の女性がサウナの中でお話されていた内容が聞こえて来ました。
ご年齢がはっきり分からなかったのですが、
「パート行ったら年金もらえなくなるんよな」
「いやいや、給料少ししかなかったらええらしいで(年金もらえるらしいよ)」というようにぼんやりした情報を共有し合って、水風呂へと去って行かれました。
具体的にはどういうことでしょうか。
年金は個人の過去の職歴により厚生年金や共済年金に加入していた期間やお給料の違いにより受け取る年金額が違います。
ポイントを下記にまとめます。
• 年金がもらえる時期は生年月日と男女の性別によって違ってきます。
• また、昭和36年4月1日以前に生まれた人(女性は昭和41年4月1日)はまず一部分の年金をもらい始め、その後、本来もらえるはずの年金額を全額受け取るという二段階の支給開始になります。
• 年金をもらいながら仕事をすると「在職老齢年金」というしくみがあり、お給料と年金の金額によって、本来受け取れるはずの年金額が減額されます。
場合によっては老齢厚生年金が全額もらえない場合もあります。※老齢基礎年金は受給権者の所得、収入を問わず、在職支給停止されません。
• 「報酬の月額」(総報酬月額相当額)と「加給年金などを除く老齢厚生年金の月額」(基本月額)とを合算した額が50万円を超えることがない場合、年金は全額を受け取れることになります。
• 「報酬の月額」(総報酬月額相当額)と「加給年金などを除く老齢厚生年金の月額」(基本月額)とを合算した額が50万円を超えると、(総報酬月額相当額+基本月額―50万円)×1/2×12で計算した額で年金支給が減額されます。
• 本人が受け取る年金額は、奥さんの年齢なども影響があるので、個々人の年金額を社会保険事務所に行き確認してもらってください。
また、そのときに合わせて、お給料がいくらになったときから年金が減り始め、いくらになると全額が支給されなくなるかを確認し、試算結果を印刷してもらってきてもらうとよいかと思います。
※総報酬月額相当額「給与の1ヵ月分」と「賞与の1ヵ月分に相当する額」とを合わせた金額で、具体的には、「標準報酬月額+(過去1年間の標準賞与額の合計÷12ヵ月)」という計算で算出をする。
※「年金の月額」は“基本月額”と呼ばれ、「経過的加算、加給年金、及び繰下げ加算額を除く老齢厚生年金の額÷12ヵ月」と計算をする。
※50万円は令和6年6月現在の情報です。
松尾倫加
谷内貴人